2012年12月4日火曜日

鬼胡桃(オニクルミ)の実

 鬼胡桃は北海道〜九州の山野の流れに沿って多く生える。
借用の畑に、種から育てた鬼胡桃の大木二本あり、今年も鬼胡桃の果実 50kg程 収穫した。
 収穫物は、5年程前から名古屋東山動物園に寄贈し、リス園の餌に活用して頂いている。
寄贈の始まりは、動物園職員が山野を駆け巡り、採集に苦労をされていることを新聞紙上で知り寄贈を始めたのである。

草木染め
 この鬼胡桃は、実の皮も木の皮も、ともに古くから茶染めもしくは黒染めに使われていた様だ。
タンニン剤であって、鉄媒染で黒く染まり、石灰媒染で茶色に染まる。石灰の代わりに灰汁を使うと、色が更に複雑になることが多い。紫染めには椿の灰汁を使う。

栄養食品
 鬼胡桃の果実は、栄養食品であるが、実が堅いので割るのに苦労する。
私は、フライパンで乾煎りし、簡単に二つに奇麗に割るコツを覚え中実を取り出し、食べているが美味である。

その他の用途
 クルミの核は、研磨剤ほか多用途だ!






2012年11月1日木曜日

南信濃霜月まつり

陰暦11月の霜降り月を称する『霜月』が間もなくやって来ます。今回は
南信濃 遠山郷 和田 諏訪神社の霜月まつりの特集
  この記録は平成11年旧南信濃村(現飯田市)商工観光課が企画した
     神が宿った猿面の祝福の舞
     遠山霜月まつり体験ツアーの参加記録の一部です。
     期 日 12月12・13・14日
     場 所 南信濃村和田 諏訪神社
     内 容
       1日目(12日)
          遠山郷土館で霜月まつりのお話とビデオ鑑賞
          夜はやまめ荘で温泉と郷土料理でゆっくり休む。
       2日目(13日)
          諏訪神社にて朝7時から夜中の3時頃まで祭り体験
          和田民宿宿泊
       3日目(14日)
          天満そば打ち道場にてそば打ち体験
          自分で作ったそばで昼食会
           解散は13時30分
          JR飯田線 平岡駅までの送迎でした。
          参加者は 関東から関西までの人達23名。

 アニメ『千と千尋の神隠し』の発想の原点となった
 神を迎える祭りの地


 本祭り当日 
 午前十時頃、両親のある子、男女二人が川に行き、山神・水神の二本の弊を立て浜水桶に水を汲み上げます。帰る時に川の砂を一握り紙に包んで持ち帰り、八将神の回りに置きます。
正午社掌の祭りが行なわれます。十数名がお祓いを受け、宮司により御本殿の扉が開けられます。祝詞奏上などが行なわれ、いよいよ本祭りに入っていきます。
 湯の式・踏みならしの舞・湯開き・一の湯の式・下堂祓い・二の湯・願ばたき・神子の湯・鎮めの湯・八乙女・面・神送り・かす舞・ひいなおろし・金剣の舞・釜返しと続きます・・・
画像をクリックしますと、大きな画像で見られます。

下のお面は、『水の王』
火伏せ・湯伏せ    
ご覧ください!
使わなくなった神社幟・奉納幟を活用した白衣を・・
『素晴らしい活用の仕方!』
参加者が、村人と一緒にお面を付けて舞いました。
お面は41面あります。
下は手拭い

霜月の祭りは
霜月神楽は伊勢外宮の霜月に行われる湯立ての神楽・天下太平・五穀豊穣・収穫祭り
南信濃・奥三河の冬祭り・雪祭り・花祭り・鬼祭り
東北地方の霜月まつりが有名。

 夜通しで 祭り続けり 霜の国
 外は霜 内は湯立ての 祭りかな



2012年10月1日月曜日

裂き織のこと

当 資料館で織り上げた『裂き織』
この裂き織は、竹の箸を活用し織り機を作り織り上げました。
  リジットへドル手織り機(Rigid  heddle  loon)
  ※ 筬綜紘手織り機の単綜紘(Sinngle  heddle)方式


下は 二十三夜 月待を表現
下は タイ東北部の女性たちが天然素材で織り上げたもの
プレパン

2012年8月31日金曜日

型紙のこと

三重県県立美術館で
『世界が恋した日本のデザイン』
      『極小の宇宙手わざの粋ー伊勢型紙の歴史と展開ー』
      同時開催されている。   (開催期間 8月28日〜10月14日)

  8月29日に見学 両者とも伊勢型紙に関わるものが判りやすく見事に展示されていた。
『KATAGAMI/型紙』は江戸から明治へと時代が移る丁度その時に何千何万もの型紙が、ヨーロッパを中心とした海外へ輸出され、勃興しつつあった西欧の美術工芸改革運動に影響したこと等も展示品で判ります。  百聞は一見に如かずでした。




織の資料館所有の型紙の一部


1858年代のフランスのスカーフ 四点

2012年8月1日水曜日

ミシンのこと

 当資料館では、
使用中の1953年製・1954年製の古い職業用足踏みミシンのうち、下記一台を 東郷町 郷土資料・歴史資料館へ寄贈致しました。
           記
   トヨタ製 足踏み式ミシン 
       (形式)MDO  TAZ 289 
           24121(刻印)
         メーカー名の外観表示『TOYOTA』
                  『トヨタ』
        製造年 1954年


電力不要の足踏みミシン 当資料館で活躍中


         ミシン糸サンプル帳
 

2012年7月2日月曜日

七夕

天の河霧立ち渡り彦星の楫の音聞ゆ夜の更けゆけば
                よみ人しらず

松本地方の七夕
上は 松本市日本民俗資料館にて撮影

七夕人形のお店『ベラミ』さんの説明
                         松本市中央三ー七ー二十三
七 夕 人 形
七夕人形は 次の四種類がございます。
   一、着物かけ形式
   二、紙びな形式 
   三、人がた形式 
   四、流しびな形式
 松本平に古くから伝わっている独特の七夕人形の起源は、江戸中期以前からといわれ、松本市の日本民族資料館所蔵の七夕人形は、国の重要民俗資料に指定されている程で、七夕行事の移り変わりを究明する上でも大切なものとなっております。
 松本では一と月遅れですから八月六日に七夕人形に厄を託し、それをなるべく風の通る軒下に吊るして飾り、風で厄を吹き祓ってもらう厄落とし(厄払い)として使われます。
 そして「ほうとう」(巾広のうどんに、あんこや、きな粉をまぶしつけたもの)や、七夕饅頭、果物、野菜の初ものを供える風習は、松本地方に今でも残っている七夕祭りの、たのしい伝統行事でもございます。
「着物かけ形式」
子供の着物をお貸せします。するとお返しに七夕様が、もっと良いものを持って来て下さる、そしてお貸しする為に一生懸命に着物を縫うとお裁縫が上達する、着物の襟数が増す幸運に恵まれる、等のいわれがございます。
「かーたり」(川渡り)又は(川越し)
   三粒でも雨が降ると天の川が渡れなくなるその時は、この「かーたり」がどちらかを背負って渡し、一年に一度の逢瀬を果たしてあげる、といわれる足のついた人形で川を渡るから「かーたり」と云います。
「迎え馬」
  昔七夕の日からお盆が始まるといわれ、この日に雨が降ることを予想して笠をかぶり白馬に乗った神様が降りてくるいわれている人形。
これ等の他に屋根の付いたもの、奴提灯のようなもの、角形のもの、その他いろいろと形の変わったものがございます。
私共ではこれ等のものや、又指定にこそされていなくても珍しい七夕人形の数々の復原に努めております。
                                 以上

 我が家では、着物かけ形式のもの、手作りの人形「奴」「高足」(かーたりの一種)他新暦の七夕に窓際に飾る習慣である。

『真澄遊覧記』伊那の中路


『乞巧奠』
 梶の葉に願い事を書いて五色の糸に吊るした。
現在の七夕笹に吊るす五色の短冊の原形の様だ。
 名古屋八事八勝館では、毎年七夕の時期に 今でも玄関に於いて『乞巧奠』が行われていると思う。

下は、梶の葉

2012年6月1日金曜日

インクジェット

捺染用インクジェットプリントのこと
 捺染用インクジェットプリント機が開発される迄、捺染布の柄版型は、孔版式・凹版式・凸版式・平版式などで、捺染加工は手作業に依る印捺から、機械での半自動、全自動の下記機械器具を用いて印捺し 仕上げ加工がなされたあと 縫製などの段階を経て、最後に消費者に提供された。
(1)孔版式では、 型 紙 捺 染    (極少量生産方式)
          手 工 スクリーン捺染(極少量生産方式)
          走行式スクリーン捺染機(少量生産方式)
          自 動スクリーン捺染機(大量生産方式)
          (フラットスクリーン捺染機・ロータリースクリーン捺染機)
(2)凹版式では、 ローラー捺染機    (大量生産方式)
          『太鼓型ローラー捺染機・並列型ローラー捺染機』
          グラビア印刷機
(3)凸版式では、 ビゴロ捺染機
         リリーフ捺染機
         ブロック捺染
(4)平版式では、オフセット印刷機など

 液体をデジタルで制御出来るインクジェットが開発され、いずれ染色関連でも利用出来るのではないかと注目されていたが、生産スピードと少量生産を望むファッション業界に,質の高い商品供給に対応出来る 捺染用インクジェットプリント機が最近開発され,大手染色業界に於いて本格的導入が始まった。
 大手染色業者の無地染とフラットスクリーン捺染・ロータリースクリーン捺染・ローラー捺染の加工に、デジタル技術を活かした革新的捺染用インクジェットプリント機の導入は,先進国と後進国・大企業と中小企業との間で棲み分けが顕著になり始めた。世界の繊維染色業界でも変化が起きつつあるのではないかと思われる兆候がある。
 日本の繊維製造技術・染色加工技術・縫製技術は超一流であり、繊維各分野の所有する誇るべき最先端の各種ソフトウエアーを駆使している日本繊維業界の益々の発展が期待される。同時に、人間生活の大本『衣・食・住・教育』で衣と食が異常とも言える程の輸入超過国になってしまった日本.輸入超過からの離脱を衣からも始めて欲しいものだ。
上は並列式ローラー捺染機図

2012年5月1日火曜日

アップリケ 古代文字

繊維に関わる古代文字のアップリケ
美しいデザイン
画像面をクリックしますと、大きな画面で見ることが出来ます。
繭 
以上のアップリケは、当資料館で制作したものです。


2012年4月2日月曜日

三纈のこと

今月は、三纈(一種の防染)について、掲載しました。
夾   纈
     織物類を一部の部分を板締め等をし防染し柄染めをする方法を言う。
纐   纈
     主に糸を使い織物類を縛り防染部分を設け柄染めをする方法。
臈(臘)纈
     臘の類いを防染剤として織物類に印捺して防染部分を設け柄染めをする方法


夾 纈
唐代夾纈
下図は染色想像図
北京大学出版社『夾纈』より

唐代夾纈

注 染
(ALINNCO  INDIGO)浜松
有松絞り
ハンカチーフ

豆絞り手拭
  江戸時代から豆絞りの手拭は有名であり,今も豆手拭はよく使われているけれども、
 当今の豆絞りは、下の豆手拭で本来の豆絞りではない。
 現在では、有松の張庄染工が唯一の製造業者である。

豆手拭(ローラー捺染)
機械捺染で 安価な豆手拭である。

特殊な絞り染め
特殊な絞り染め
絞り染め布の表装
一般的な絞り染め
一般的な絞り染め
 通称『有松絞り』は、纐纈だけでなく板締絞り言われる、夾纈も含まれる様だ。
戦後有松から輸出されたものには、東南アジア・西アフリカ現地で昔から染められていた、纐纈・夾纈の技法を参考に、有松地区の染色業者は独特の染色技法を確立し、輸出内需に対応し、有松独特の商品が製造される様になった。

臈 纈
日本産臈纈
AFRIKAN  TEXTILES
Pattern dyeing
peinted freehand with starch bifore dyeing in order to resist the dyed