2014年12月1日月曜日

東郷村(現愛知県東郷町)の養蚕

戦前の養蚕
 昭和10年の東郷村の総戸数は772戸 内養蚕を営んだ農家は 564戸(総戸数比78、1%)に達していた。又 村内の部田(ヘタ)養蚕組合の記録によれば『純農村なれども米麦の収入よりも 寧ろ養蚕による収入が多い傾向に有って 養蚕業の盛衰は 農家経済は勿論 村財政に多大の影響を与えつつ有り。・・・とあり。
 戦前の農家の食生活は、米は換金作物であるため、今日の様な食生活でなく 下の東郷村の各種記録を見ると昭和5年の生糸相場の暴落は 繭の値段に大きな影響を与えたであろう。又 レーヨン・ナイロンの生産が始まり輸出生糸の減少による影響も有り、戦前の農村生活は大変であったと推察される。

最近の養蚕
 家畜化されていた昆虫『蚕』に、遺伝子組み換え他 色々な開発・改良で衣料以外に食品・化粧品・医薬品ほか多用途に利用される様になり現在は非常に注目される分野だ。
又、身近な話題としては、東郷町のお隣天白区植田の『特定非営利法人 マルベリークラブ中部』の猿投・足助地区での活躍がある。

下は、戦前の 簇(マブシ)作り機簇折り機
豊橋の資料館のもの
東郷町の資料館のもの

2014年11月4日火曜日

ヨコタ博物館ほか

 標高550mの奥三河作手の山の中にある、横田正臣氏(故人)が たった一人で創った博物館『ヨコタ博物館』から、博物館の催し『講演&民俗音楽演奏会』のご案内が有り、久しぶりに参加した。
 NGO「難民を助ける会」の五十嵐さんの映像をまじえた、解り易いお話と 国立民族博物館の博士で研究員でもある伊藤悟さんの 中国南部からミャンマー・タイ北部に使用される各種「ひょうたん笛」の演奏とこれに関わるお話、最後に 鼻で息を吸い込みながら口で吹き続ける技には驚きました。(ひょうたん笛の音色は、日本の笙の音色に似ている。)
 ヨコタ博物館収蔵品には、タイ北部バンチェン周辺において出土した数多くのバンチェン土器、及び民族衣装など展示
下はタイ北部チェンマイで作られた 現代のアップリケ
下は、織の資料館特製の、別珍コールテンの端切れで作った手提げ袋 色々
上の映像の中にある オニグルミに御注視下さい。
大発見 奇形ハート形のオニグルミ 一個!


2014年10月1日水曜日

コンゴ・クバ王国の織物

アフリカ コンゴ・クバ王国の織物たち

上の映像は AFRICAN  TEXTILES    
(JOHN PICTON&JOHN MACK)より引用

以下は、織の資料館 所蔵品
刺 繍
下は 上掲の一部分
サイズ  巾 90㌢ × 長さ 650㌢


アップリケ
サイズ  巾 70㌢ × 長さ 520㌢

草ビロード
サイズ  巾 50㌢ × 長さ 50㌢

2014年9月1日月曜日

家蚕・野蚕(愛知東郷町)のこと




 去る 8月21日 豊橋『窓の会』の会合の席で
上掲の冊子に関わることで、題して『天蚕のこと』で報告を行いました。      (場所 芸術劇場プラット研修室)

報告後の質疑は 活発で応答に困る程で 報告の概要を記しますと 次の通り。

私が 家蚕・野蚕(ヤママユ天蚕)に関心を持った動機
◎  ある製糸工女哀史『ああ野麦峠』 著者 山本茂実 昭和43年刊
  明治42年11月20日午後2時、野麦峠で一人の飛騨の工女が「ああ・・飛騨が見える。
  飛騨が見える・・・」とつぶやきながら 息を引き取った。
  病気で岡谷の製糸工場から退出 兄の政井辰二郎の背におわれ 故郷へ帰る途中 野  麦峠で死去。妹 政井みね 二十歳の物語
◎  製糸工女達が往来した 野麦街道を奈川村(現松本市)寄合渡から家族等六名徒歩  で旧野麦街道を登り 野麦峠のお助け小屋を尋ねた 徒歩往復の思い出。
 (寄合渡で宿泊した古くから在る宿屋「亀屋旅館」のお婆さんから子供と共に 昔の野  麦街道通行の情景を聞く)
◎  穂高町 有明(現安曇野市)天蚕センター見学
  天蚕飼育の始まり 天明年間 1781〜と知る
  天蚕糸は「繊維のダイアモンド」「繊維の女王」と云われる・・・ほか

ヤママユ天蚕観察等の お話をする。
◎ 枯れ枝にヤママユの出殻繭発見から始まり 孵化から幼虫の生態・繭つくり・発蛾・  産卵 写真を掲示して説明 
◎ 宮中 紅葉山御養蚕所のこと
◎ 横浜シルク博物館のこと・・・ほか

質疑応答の概略
  戦前の養蚕(家蚕・野蚕)・製糸のこと
  世界で最初の『乾繭取引所』豊橋に開所のこと
  生糸の値段 100斤当たり(1斤=600g)
        1920年(大正9年) 1月  4,350円
        1920年(大正9年) 7月  1,000円(第一次世界大戦後の不況時)
        1929年(昭和4年) 10月  1,288円(世界大恐慌時)
        1930年(昭和5年) 10月   574円(人絹量産始る)
     当 東郷町大正8年の農工産出額のうち養蚕は65.8%を占める。
  昆虫工場・植物工場のこと
 自然と触れ合うこと。戦前の農村のこと。ほか

2014年7月1日火曜日

七夕とオールドコレクション

城下町信州松本に江戸時代から伝わる七夕飾り人形
毎年七夕の頃に 織の資料館(愛知県東郷町)でも 下の写真の様に飾ります。
      (牽牛と織女の七夕の起源は早くとも
          中国春秋戦国時代の中期頃であろうと云われている様です。)

 オールドコレクション
      西暦1882年時代の
       MAISON  SEDILLE PARIS の縞帳 一部写真
 n


    下は、西暦1970年台の日本産捺染布 
           ( シャツ・ブラウス 用の捺染織物 )

2014年6月2日月曜日

やままゆ(天蚕)の六月の生態ほか

六月中下旬の『やままゆ(天蚕)』
六月中旬 クヌギやコナラの葉を喰う幼虫
食欲の旺盛に驚く!
六月下旬 仮眠中の『やままゆ(天蚕)』の幼虫
(上二点の撮影場所 愛知県愛知郡東郷町春木地区)
下は、同地区で採集した 竹の美しい切り口

2014年5月1日木曜日

袋物とやままゆ(天蚕)

織の資料館の入口風景
袋物は 別珍コールテンのパッチワーク
下は プリント別珍のパッチワーク手提げ袋

新春のヤママユ(天蚕)飼育場風景
場 所  長野県安曇野
六月中旬頃の やままゆの幼虫
撮影場所 愛知県愛知郡東郷町春木の雑木林
(都市化が進み自然環境の変化が影響しているのだろうか 本年も見かけない。)


2014年4月1日火曜日

やままゆ(天蚕)と原始的織り機

東郷町春木地区で観察撮影した『やままゆ』の成長
 前回は、孵化している状況の映像を掲載しました。今回は、4月後半から5月末頃迄の成長の姿を時系列に掲載します。
(1)
孵化間もない幼虫
(2)
動き回る幼虫
(3)
脱皮しながら成長する

原始的筬綜紘織り機 2号機完成
使用材料 板及び竹箸(釘等は一切使用していません)
     1号機の欠点を改良 使い勝手が良くなりました。
    簡単に 分解組み立てが出来ますので 保管や持ち運びがが容易


2014年3月3日月曜日

ヤママユの孵化

下の写真は東郷町春木の雑木林で孵化している姿
孵化時期は4月ヤマツツジの花が咲く新緑の頃
当 『織の資料館』のご案内文
(いずれも 画像面をクリックしてご覧ください。)


2014年2月3日月曜日

鬼胡桃(鬼クルミ)の収穫

オニグルミ(鬼胡桃)


鬼胡桃の収穫と使途
 毎年 秋になりますと映像の様な鬼胡桃の木 三本から大量の実を収穫します。
本年は豊作で 百kg弱 収穫
上段右は、一本の樹の全体像   
            (木の太さ根元で50㌢程樹高約15m)
下段は、結実風景        
収穫した実
下段は 皮付きので乾燥したもの
皮は 植物染料として使用されている様です。
 上段 褐黒色  染法 鉄媒染  
 下段 茶 色  染法 石灰媒染 
                    上村六郎著「日本の草木染」より
毎年 名古屋東山動物園へ寄贈
動物園の「小鳥とリスの森」で活用して頂いています。



2014年1月1日水曜日

織の資料館からの眺望

謹 賀 新 年

『織の資料館』からの冬の眺望
夜明け前 朝焼けから始まる
建物は東郷高校校舎
上から下へ 刻々と変化する光景をご鑑賞下さい。

下の写真は日の出直前の景色